You're all what I need
 
「ええっ、うちに来る?」
「はい。そろそろお父上やお母上にごあいさつさせていただいた方がよいのではないかと思っているのですが、神子さ……望美さんは、いかがお考えですか?」
 心地よい風のそよぐ日曜の昼下がり、白を基調にまとめられたお洒落なカフェでふたりは向き合っていた。銀の前にはダージリン、望美にはアイスキャラメルクリームラテ。
「この世界の作法や礼儀はあちらとはずいぶん違います。けれど年頃のお嬢さんと私がお付き合いを続けるならば、ご両親にお話をしてご了解をいただく必要があるのではないでしょうか」
 あちら、というのはむろんこの間まで望美たちがいた源平の世界のことだ。
「うーん……」
「あなたとこうしてお会いできる時間を私は毎日心待ちにしておりますが、望美さん、今日はご両親には何と?」
「友だちと買い物に行くって言ってきたけど……」
「ああ、申し訳ありません。私のことでご両親に隠しごとを」
銀が済まなそうにうつむき、望美は少々あせった。

―――続きはオフ本でどうぞ

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