銀色の月の降る底で 声もたてずに貴女はひとり涙を流す ひそやかに頬をつたう光のしずくは 砕かれた星の嘆きにも似て 遙かな旅路 かなわぬ願い 輝く瞳の奥の悔いと慟哭(いたみ) その哀しみをぬぐう資格はこの手にはない ふるえる肩を抱く腕を俺は持たない だから静かに背を向ける 風すらも揺らがせることなく 闇にこの身をまぎれさせ 愛しさよ眠りにつけよ けれどいかなる罪も罰も 願わくはただ この身にのみあれ 貴女は空渡る雲のごとく 果て無き高みをゆく女性(ひと)…… |
迷い断ち切る龍の刃 どこまでも時空(とき)を貫いていけ 彼方を見つめる瞳が示す道標(みちしるべ) 希望という名の明日へ続く ひたむきな祈り 呼び寄せる未来 すべての運命(さだめ)を変えていくのか その笑みひとつに知らぬ間に視線奪われ 心など封じたはずの俺なのに ああ だから遠くで見守ろう 願いが真実の焔(ほむら)映す日まで 決して言葉にしなくとも 愛しさが心を叩く そしてあふれる胸の想い いつか氷の扉も融かすだろうか 貴女はみどり芽吹く大地 花満ちる楽土の夢を抱(いだ)きて…… |