花慶宴




花香(かこう) 風に流れて 吉祥降(くだ)る
客(かく)は勧む 応に是(まさにこれ) 君の白(はく)を尽くすべしと
春桃の冬枝に添うの永きを羨みて
恨を負い 杯に寸の乾無しと雖(いえど)も
清樽(せいそん)一斗を干すも亦(また)好し
倒載は当(まさ)に素手(そしゅ)の抱する処なれば





かぐわしい花の香りが風に乗って流れくるこの慶びの宴 
もっと酒杯を干せとあなた方は私をせきたてる 
私を酔いつぶすおつもりらしい
彼女と永い契りを結ぶこの身がうらやましいのですか?
みんなの恨みをかって、今日はいったいどれほど呑まねばならないのでしょうね
私の杯は乾く暇もありません
ああ、でも一斗の樽を干すことになろうとも一向にかまいませんよ
酔って倒れ伏しても、白く美しい手が必ず私を介抱してくださるのですから
……




花香流風吉祥降
客勧応是君白尽
羨春桃添永冬枝
雖負恨杯寸無乾
清樽一斗干亦好
当倒載素手抱処








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