甘睡
さらりと肌を撫でる風
朧に響く鳥の声
意識はゆるりと浮上する
紗幕を透かす朝の気配
腕におさまるやわらかな熱
ほのかに花の香が揺れる
純な寝顔は私だけの宝物
吐息はただおだやかに
甘く鼓動を重ねた夜も夢のよう
私の髪を握りこんだ小さなこぶし
困ったな
あなたを目覚めさせずには起きられそうもない
もちろんそんなつもりもないけれど
生まれたての光が照らす肩にそっと口づけ
私もふたたび目を閉じる
怠惰で愛しいまどろみの時
ふたり もう少しこのままで……
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遙か4部屋
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