朝のあいさつ兼ラブ・メッセージ
おはようございます、我が君
今朝もご機嫌うるわしゅう
晴れやかでお美しい顔(かんばせ)を拝し、光栄のみぎり
おや、今日はずいぶんと襟の高い衣を召しておられるのですね
その姿もとてもお似合いです
きりりとした風情に王の威厳もいや増すというもの
白鳥のごとき首筋がすっかり隠れてしまうのは残念ですが
……ああ、そんな可愛らしい目で私をにらまないで
ほら、まわりが変に思いますよ?
ええ それはお詫び申し上げます 夕べはつい、うっかり
でもあなたがいけないのですよ
あんなに艶めいた声を上げられては
綺麗な肌に思いきり口づけせずにはいられない
それに私の背のいくつもの爪跡は
いったいどなたがつけたのでしょうね?
宵闇から曙まではあなたは私の想い人
けれど夜が明ければ、あなたはふたたび皆のもの
やさしいあなたは国と民のことでいつも心を悩ませている
陽のあるうちは、甘い吐息も濡れて揺れる瞳も、とりあえずはぜんぶお預け
詮無いこととわかってはいても、私の胸はやるせない思いでいっぱいです
昼日中にちょっとでも触れようものなら、きついお叱りを覚悟せねば
……ですが、それもまた一興
などと告げたら、あなたはひどく怒るでしょうね
でもそんなあなたもとても愛しい
あなたの隣であなたの力になること これも確かな私の望み
そして私の腕にある時は、ほかのことは全部忘れていい
自由になって、いくらでも我がままなあなたでかまわないのですから
だからこれからも、白い肌の上に枯れない花をたくさん咲かせてあげましょう
それに、あなたが私だけのものだという印をわざと残したくなる時もあるということは
――――ふふ、あなたにはまだ、言えませんね
愛しき我が君 では今宵もまたお目にかかりましょう
あなたの傍らに忍んでいくお許しは、とうに頂いておりますれば
あなたを愛しすぎてしまったことが私の罪だというのなら、どんな罰もご随意に
ええ、ふたりきりのその時に